NPO法人 岡山県視覚障害者自立支援センター

当センターの設立趣旨

理事長 奥村 俊通

 「自立」とは何でしょうか?一人で目的とする場所まで行けることですか?身の回りのことを他人の助けなしにできることですか?パソコンが使えることですか?このようなことができると視覚障害者は自立していると言われることが往々にしてあります。しかし、これらのことは典型的な「障害者の自立」に他なりません。

 本来の自立とは、自らの考えと判断で行動ができる自由を有し、それによって生じる責任と義務を負えることではないかと私たちは考えます。そのためには、障害のあるなしに関わらず、平等な機会を得られることが大切です。

 しかしながら、様々な困難に向き合うことの多い視覚障害者は、まずその困難を乗り切らねばなりません。困難を抱えたままでは機会さえ与えられないのです。

 そして、その困難を克服する技能や知恵を身につけるための一貫したサポート体制が、岡山県内で構築されていないことは衆知のことです。特に中途視覚障害者にとっては最初の一歩を踏み出すことさえ躊躇される状況の中、二歩目、三歩目と進むにつれ、県内には居場所が少なくなり、ついには県外へしかも長期に行かなければ次のステップへ進むことができません。また、県外へ行き、それなりの技能や知恵を身につけてきても、それは放っておけば陳腐化し、進歩し続けるためには個人の多大な努力が必要になるのです。

 このようなことから、岡山県内の多くの視覚障害者が、冒頭に述べた自立と言えない自立、「障害者の自立」さえできないでいます。

 このような状況を鑑み、岡山県内の視覚障害者が必要とすることは岡山県内でできるようにするため、特定非営利活動法人 岡山県視覚障害者自立支援センターを設立し、視覚障害者の自立を支援し終始一貫したサポート体制を整え、精神面での支えにもなれるような組織となることを目指して動き出すことにしました。